
エンバカデロ・テクノロジーズは、RAD Studio、Delphi、C++Builder 12.3 Athens の April パッチをリリースしました。
RAD Studio 12.3 April パッチは、Delphiコンパイラ、C++ 64ビットモダンツールチェーン、RAD Studio 64ビットIDEとそのデバッガ、VCLライブラリ、その他のRAD Studio機能に重点を置いた、12.3リリースの品質向上を提供します。
RAD Studio 12.3、Delphi 12.3、C++Builder 12.3をご利用のすべてのお客様に、このパッチのインストールを強くお勧めします。
このパッチのダウンロードサイズは約 559.61 MB です。
修正と変更の詳細は、以下に記載されています。特に、64ビットIDEでパッケージをデバッグするには環境変数を定義する必要があることにご注意ください。
Table of Contents
GetItパッケージマネージャ経由でのインストール
IDE を起動した際 (または次回の ウェルカムページの更新時)、RAD Studio12のウェルカムページ に「パッチが利用可能です」というアイコンが表示されます。
このアイコンを選択(クリック)するか、GetItパッケージマネージャを開いて「Patches and Hotfixes」の項目を選択すると、下図のようにRAD Studio 12.3 April Patch 1.0 が表示されます。

このパッチは、遅延インストールパッケージとして提供されているため、IDEを終了した後で、実際にインストールが実施される仕組みをとっています。(再起動を促されますが、後回しにしても構いません)。

IDEの終了後、インストールプロセスが開始され、コマンドプロンプト(要 UAC)が表示されます。ダウンロードするパッチのファイルサイズは約559.61MBありますので、下図のコンソールウィンドウ(IDEがシャットダウンしたときに開く)からのダウンロードには時間がかかります。

パッチをGetIt 経由でダウンロードした場合は、自動的にインストールされ、RAD Studio製品のインストールフォルダ(デフォルトでは、C:¥Program Files (x86)¥Embarcadero¥Studio¥23.0)配下にインストール時のタイムスタンプが記されたフォルダが作成されます。以下はその例です。
C:¥Program Files (x86)¥Embarcadero¥Studio¥23.0¥_patch-backup¥2025-04-30 08.02.13
上記のフォルダ内には置き換えられたファイルのバックアップやインストールログが保管されます。
手動によるインストール
12.1 Patch1は、カスタマーポータル(my.embarcadero.com)からも入手できます。(ダウンロード一覧の表示方法がわからない場合は、こちらをご参照ください)

12.3AprilPatch-20250425.zipファイルをダウンロードして展開した後、12.3 April Patchをインストールするためには、RAD Studio 12 IDEを終了し、展開したフォルダ内のpatch.R123.hotfix.april_install.batファイルを実行してください。
または、12.3AprilPatch-20250425フォルダ内のR123.hotfix.april.zipを手動で展開し、RAD Studioのインストールフォルダ(デフォルトでは、C:¥Program Files (x86)¥Embarcadero¥Studio¥23.0)以下へそれぞれのサブフォルダごと上書きしてください。
(手動で展開する場合は、事前に置き換え対象ファイルをバックアップしておくことをお勧めいたします)
パッチのアンインストール手順
- 1. RAD Studioを終了
- 2a. GetIt経由でインストールしている場合、Catalog Repositoryフォルダ(C:¥Users¥<ログイン名>¥Documents¥Embarcadero¥Studio¥23.0¥CatalogRepository¥12.3Patch-AprilPatch)フォルダへ移動
- 2b. 手動でインストールしている場合、前節「手動によるインストール」で展開した12.3AprilPatch-20250425フォルダを開く
- 3. patch.R123.hotfix.april_uninstall.batファイルを実行
- 4. GetIt経由でインストールしている場合は、GetItパッケージマネージャから「RAD Studio 12.3 April Patch 1.0」をアンインストール
64 ビット IDE でパッケージをデバッグするには
64 ビット IDE でパッケージをデバッグするには、次のようなコマンドを使用して、LLDB_DCP_SEARCH_PATH 環境変数を lib¥win64¥debug フォルダーを参照するように設定する必要があります。
1 |
set LLDB_DCP_SEARCH_PATH=C:¥Program Files (x86)¥EmbarcaderoStudio¥23.0¥lib¥win64¥debug |
次に、同じコマンド ラインから bin64¥bds.exe を実行します。
PAServerのインストール
12.3 April Patchには、更新されたPAServerが含まれております。GetIt経由あるいは手動によるインストールのどちらの方法を選択された場合でも、PAServerはターゲットPCへ手動でインストールいただく必要があります。
更新されたPAServerは、以下のパスへ配置されています。
C:¥Program Files (x86)¥Embarcadero¥Studio¥23.0¥PAServer
各プラットホーム(OS)へのインストール手順は、以下のdocwikiをご参照ください。
12.3 April Patch で修正された問題
Delphi コンパイラとツールチェーン
このパッチは、ジェネリック型のレコード制約の使用方法の変更とともに、コンパイラの速度の問題に対処します。
- RSS-3163 Extremely slow compile speed after upgrading to Delphi 12.3
- RSS-3102 occour error: E2512 Type parameter ‘T’ must be a non-nullable value type or E2010 Incompatible types: ‘T’ and ‘TRec’
- RSS-3309 Compiling a bpl that uses dclvcldb throws Invalid File Format exception
Modern C++ 64 ビット コンパイラとツールチェーン
このパッチには、全体的にいくつかの領域にわたるさまざまな品質修正が含まれています。公開されている次の問題に対処します。
- RSS-3056 Error when compiling in release mode Win64x
- RSS-2708 std::filesystem::directory_entry::is_directory() crashes in C++ modern toolchain
64-bit RAD Studio IDE
64 ビット RAD Studio IDE では、ExpertsCreators のサポートが追加され、Parallels Desktop の Windows ARM VM での実行に関する問題が解決され、64 ビット IDE 全体で 64 ビット Delphi アプリのデバッグに対する多くの改善が組み込まれました。
このパッチは、キーバインディングに関連して公開されている次の問題にも対処します。
- RSS-3169 Access violation when execute ToolsAPI’s BindingServices.AddKeyBinding in RAD Studio 12.3 64 bits IDE
その他の問題
このパッチは、Android サービスと VCL スタイルに関して公開されている次の問題、および Delphi ActiveX ライブラリの作成時の問題に対処します。
- RSS-3108 Android services that are Intent based (internally uses JobIntentService) no longer compile
- RSS-3149 VCL style difference between <= 12.2 and 12.3 (for the worse)
Design. Code. Compile. Deploy.
Start Free Trial Upgrade Today
Free Delphi Community Edition Free C++Builder Community Edition